当社で可能な成形技術と製品
FRPの性能は成形技術のレベルによって変動し、成形技術が適切でなければ期待するFRPを作ることは困難となります。弊社は下記の成形法に重点を置き含浸、賦形、硬化に注視した製品づくりを目指しております。
HLU(ハンドレイアップ)
FRP成形の基本となる技術であり大型の製品、生産数が少ない製品、形状の複雑な製品、単品試作品の成形に適しています。応用される比率は減少傾向にありますがFRPの存在する限り絶えることがない成形法です。技能検定試験があり合格すれば手積成形1級(2級)技能士として国から認定される制度があります。
弊社は比較的大型な製品、複雑形状な製品、試作型、成形型(ハンドレ型、RTM型)等をマトリックスとして不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を使用、強化繊維としてはガラス繊維、カーボン繊維、バサルト裁維、アルミナ繊維等を使い成形します。
- 応用製品例
- 成形型(ハンドレイアップ用型、RTM用型)、大型タンク、コンテナ、鉄道車両部品、水処理装置関係等
RTM(レジントランスファーモールディング)
型にプリフォームをセットし型クランプ後、樹脂を加圧注入しプリフォームし含浸、硬化させます。繊維の含浸性(permeability)、繊維が型に馴染む特性(drapeability)、設計されたVFに圧縮できる繊維特性(compressibility)の3要素が重要となります。比較的厚物の製品には未含浸部が発生する可能性があり、非破壊検査等の実施が必要になります。
- 応用製品例
- 医療器部品、車両部品、電気絶縁部品等
LRTM(ライトレジントランスファーモールディング)
型にプリフォームをセットし真空圧で型閉じ別系統で型内を真空状態にして樹脂を注入します。低圧で樹脂注入できますので上型はフレキシブルな樹脂型で対応できます。
型制作のノウハウを習得すれば低予算でハンドレイアップ製品からの代替えが可能となります。
- 応用製品例
- 機械カバー、水処理関係部品、鉄道車両部品、車両部品、医療器部品等
VACP(バキュームアシストコールドプレス)
型にプリフォームをセットした後、樹脂投入。真空圧を利用して型閉じ樹脂流動させます。
弊社が20年ほど前に最初に試みたクローズド成形法で形状によってはとてもよい製品が簡単に製作可能です。
- 応用製品例
- 機械カバー等(単純形状部品)
VIM(マーコ法)
樹脂吸い上げ成形法と呼ばれ、樹脂型の下部より樹脂を低圧または加圧注入し上部より真空圧によりプリフォーム等に含浸硬化させます。弊社はこの技術の応用で金型でのリング状部品の量産に実績があります。
- 応用製品例
- 圧力容器部品等
VARTM(バキュームアシストレジントランスファーモールディング)
レジンインフュージョンとも呼ばれ、基本的に型にドライプリフォーム、ノンクリンプファブリック等を置き樹脂注入ライン、真空ライン、副資材等を設置しナイロンフィルム等で真空バックして樹脂注入する。応用アレンジした成形法は数多くありout of autoclaveプロセスの1つとなっています。
弊社は試作開発形成での経験から独自のノウハウを習得し常温硬化タイプから高温硬化タイプの樹脂に対応させていただいております。また型制作等にも対応させていただいております。サンドイッチ構造パネル(ハニカム、ロハセル、ウレタン、バルサ等)も一体成形が可能です。
- 応用製品例
- 風力発電部品(ブレード、ナセル、スピナー)、レドーム、鉄道車両部品
電気絶縁部品、サンドイッチパネル(平板、R形状)
VB(バキュームバック)
バキュームバック法、通常はプリプレグをレイアップ後、真空副資材を設置、回りをシール後ナイロンフィルム等で真空バックをしてオーブンまたはオートクレーブ等で硬化させます。
弊社はスポーツ関係部品をCF、GFプリプレグをレイアップ後オーブンキュアで成形しております。また樹脂フィルム等を挟んだツーステップ法によるハニカムサンドイッチパネルの製造も可能です。
- 応用製品例
- スポーツ関係部品、医療器部品、サンドイッチパネル(平板、R形状)